【三国志8】リメイクが出るから振り返る

間違いなく学生時代の青春の一部を費やした三国志のゲーム、その中でも一番プレイしたという自覚のある三国志8がリメイクされるということで、久々にどのようなゲームだったかをプレイしながら振り返ってきました。

ティザームービーを見る限りではベタ移植ではなく、グラフィックやゲームのシステムの変更もありそうです。先にお伝えしますとこの記事にリメイク版の情報は何ひとつ出てこないのでご了承ください。

リメイク版の情報がほしい場合は公式サイト(外部リンク)が更新されていくのを確認しましょう。

ちなみに自分は今手元にPS2版のパワーアップキットしか持ってないので、内容は全てそちら準拠になります。というかPC版持ってないです、当時はパソコンも持っていなかったので。

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概要

三国志8はその名の通り三国志ゲームのナンバリング8作目です。

前作である三国志7から勢力ではなく武将一名を選んでのプレイができるのが特徴で、身分によって色々なプレイスタイルが楽しめます。例えば君主なら従来のような勢力全体を動かしていくような内容となり、勢力に所属するいち武将では上司からの命令をこなしたり、戦闘でも自身の部隊のみを動かすなど、同メーカータイトルの太閤立志伝シリーズのようなシステムになっています。

時間は一ヶ月単位で進み、月ごとに振り分けられる行動力ポイントを使用して各コマンドを実行していきます。4ヶ月に一度季節が切り替わり、そこで評定が行われたりイベントが発生したりします。

評定、自由行動で進む

また、各武将との相性や友好度がそれぞれ設定されており、相性の数値が近いと登用が成功しやすくなったり、友好度が上がりやすくなります。友好度が上がると義兄弟になるイベントなどもあるため、お気に入りの武将と懇ろになるなどの楽しみ方もあります。

戦闘はターン制になっており、各武将ごとに使える先方を駆使して戦う他に、軍として採用する戦術をうまく利用することによって戦局をひっくり返すような戦い方もできます。ただ、わりと1戦に時間がかかるのは昔のゲームという感じはあります。

その他にもアイテムコンプリート、イベントコンプリートなどやりこみ要素も用意してあり、特典として新武将の作成時の能力や特技ボーナスなど何周もやりたいと思わせるようになっています。

とにかく三国志世界の中のひとりとしてプレイできるというのが当時とても新鮮で、自分で購入したという意味では初めての三国志というのもあってすっごいプレイしていた記憶があります。リメイクの情報が出た時に友人から「これお前が昔やってたやつだよね?」と連絡が来るくらいにはやってました。

ゲーム内容

シナリオ

本作はプレイできるシナリオの数がかなり多く、特に序盤は一年ごとにシナリオが選べるくらいの量があります。演技ベースなので黄巾の乱が本格化する184年を皮切りに、董卓連合、連合後、官渡などその年に何が起きたかを振り返りながら少しずつ勢力図が変わっていきます。

学べる系ゲーム

まあ物語の性質上途中から勢力図が青と赤と緑しかなくなってしまうため、プレイしていて楽しいのは董卓連合から官渡前くらいまでにはなるのですが、大きな戦いやイベントのない年にどんな事が起きているのか、特に物語後半のまとめに入っていく時期の保管をしてくれているのはかなりありがたいです。このゲームを通して三国志全体の流れを知った人も多いんじゃないでしょうか。

特定の年には歴史イベントが用意されていたりもするので、全部は無理でもコンプリートを目指すなら半分くらいはプレイすることにはなると思います。

身分

大きく分けると君主、勢力に所属する武将、在野という3つくらいにわかれます。

その中でも武将が色々区分けされており、一般の武将、都市一つを管轄する太守、複数の都市を運営する都督、あとはちょっと特殊な身分の軍師があります。在野は在野と放浪軍です、サブ職業はありません。

君主でプレイするとやることが多くて大変という人は最初に一般武将でプレイするとゲームの流れが理解しやすくなるかもしれません。ただ基本上司からの命令を実行するプレイになるので、勲功を稼いで出世を目指すなら行動の自由はほとんどなかったりします。

また、内政系の武将でプレイしていると戦闘の起きない地域へ派遣されることが多く、都市の整備が終わると本当にやることがなくなります。前線への移動は却下され、集めた人材は次々と減らされていくという閑職気分を味わいたい人以外は戦闘系の武将で最前線に立ち続けるほうがゲーム内容としても楽しめます。

あとは軍師プレイも結構楽しいです、知力を最低限軍師になるくらいまでにして、最初は適当なことしか言わないダメ軍師から知力を上げて本物になっていくロールプレイがおすすめ。

できることは多い

概要でも書きましたが、本作は月単位で時間が経過し、月ごとに振り分けられる行動力というポイントを使用して各行動を行っていきます。能力値が高いほど振り分けられる行動力は多く、能力が低いほど行動にもハンデがかかってくる状態になります。

行動力を消費してできることは多く、都市の内政、各施設の見聞、都市にいる武将とのコミュ、他の都市への移動、鍛錬、買い物など多岐にわたります。いちおう襲撃なんかもあります。

特に面白いのは見聞で、施設の見聞が上がっていくと受けられる恩恵が増えていきます。内政の作業をする際に見聞の値が高いと効果が上昇したり、ランダムイベントでアイテムの入手なんかもできます。ただ内政をするだけでなく、しっかり住民と交流しておけばさらなる効果を得ることができるというようになっています。

在野武将の探索も見聞から発見という流れになるため、違う都市に来たらまず見聞というのがセオリーといっていいレベル。

友好度と相性

それぞれ武将には0~149の相性の数値が設定されており、主に劉・曹・孫の三者とそれ以外といった配分になっています。相性が近いと友好度が上がりやすく、登用なども成功しやすくなります。裏を返せば相性の遠い武将だと初見訪問での登用成功率はほぼゼロと言ってもいいくらい成功しません。

友好度が高いと義兄弟イベントの発生、パワーアップキットなら配偶者の紹介なんかもしてくれるし、一般武将プレイでは軍師と仲良くなっておけば計略などを提案した時に成功するかどうか助言してくれたりもします。太守以降の管理側でも友好度が高い武将は仕事に意欲を出してくれるため、全員とはいかないけど主力として考えている配下とは仲良くなっておくことに損はひとつもないです。

相性が遠い武将と仲良くなるのはかなり時間がかかりますが、アイテムのプレゼントや宴会などで少しずつ上げていくと段々デレてくるのが楽しくなってきます。

戦闘

戦闘はターン制で、武将ごとに兵を率いて戦います。兵科も歩兵、騎兵、弩兵など基本のものから投石機などの攻城兵器、地域や勢力限定のものなど豊富です。兵数は武将の階級によって変わるため、出世がイコール戦力増強に繋がります。

侵攻側、防衛側ともに戦闘開始前のブリーフィングがあり、採用する戦術、策略(防衛側は罠)などを決めます。採用できる戦術や策略は総大将と軍師の能力や所持特技で増えるので、武力の高い武将がだけが強いというわけでもないのが特徴です。

マップは完全な野戦というものはなく、城もしくは関がある横長のマップでの戦闘になります。部隊ごとに視界の概念があるので常に戦場全体が見渡せるというわけではなく、思わぬ接敵で焦ったりすることもしばしば。

なんかこうもっさりしてる

基本は兵数が多いほうが有利ですが、戦法や計略がうまくハマれば倍くらいの敵ならひっくり返すこともできたりします。一部の、というか敵味方関係なく連続攻撃する乱撃という戦法を敵一部隊のみと隣接させて発動する方法が強すぎてそれだけでなんとかなることも多いです。

とはいえ最大兵力の連弩からの斉射もえげつない火力が出たりするので、相手をしっかり見極めて倒しやすい相手を選んでいくのが重要です。

後は概要のところでも触れましたが一戦が長いです。移動のマス目も小さくてなれるまでは操作しづらいのもちょっとマイナス、ただこれは元々がPCのゲームだからということもありそうです。

アイテム

能力の強化や忠誠度上げなどに重宝するアイテムは種類が豊富で、アイテムコンプリートによる新武将の作成時の初期能力値アップなど収集による特典なども用意されています。

新武将の強化に必要なのでとりあえずコンプを目指しました。適当なシナリオで君主選んでは没収と金の引き出しからの購入連打で8割がた埋まります。だいぶ記憶が曖昧だったので一部の武将固有アイテム、特に論文なんかは誰が持ってるか忘れまくってましたね。

正規の入手手段しかなく面倒なのは銅雀と九錫、遁甲天書あたりでしょうか、銅雀は発掘待ちの農村見聞祭りで、九錫は君主の身分を上げたうえでの皇帝救出とかいうこのアイテムとイベントのためだけに一回だけ目指すような条件のアイテムを入手してコンプリート、ここは正直複数人プレイとPK要素駆使しました。

一部の武将が専用アイテムを複数持っていたりとか偏りはあるものの、当時のゲームとしては用意されている数量は多かったです。

新武将

三国志といえば新武将、自分のオリジナル武将を作って歴史に登場させられるのが醍醐味です。

能力値のボーナスポイントや特技戦法の振り直しだけでその日が終わるなんて経験は誰にでもあると思います。自分はこの手のリロール作業が大好きなので、弟にいつまでも同じ画面でボタンを押し続けているだけでなんのゲームかわからないと言われたものです。

そして三国志8には新武将以外にも古武将という隠し要素があり、特定の名前を入力すると専用の顔グラと能力を持つ武将を作成することができます。古武将というだけあって三国志よりも前の時代の武将がラインナップされており、能力的にかなり強い武将が多いです。

コウセキってここで知りました

全部で21名用意されていて、今回起動した際に昔の記憶を頼りに何人登録できるかチャレンジをしてみたところ、13名までは思い出せたものの8名は登録できませんでした。漢字を見たら思い出すかもと丁寧に見ていったつもりが結構見逃しててショックでした。手元にある人はチャレンジしてみるといいかも、思い出せなかった武将を見たときの悔しさを共感したい。

そしてこの名前入力を通して、読み方を覚えたり漢字自体を覚えたりしていったんだなあと思いました。あとは辞書を引くのがめっちゃ早くなったりもしたなと、三国志は歴史も学べる漢字も学べる数字も学べるで良いところしかないですよほんと。

良い点・悪い点

個人的に良いと思う点と悪いと思う点は以下の通り

良い点

  • 全武将プレイ
  • シナリオ豊富
  • 歴史イベント
  • 新武将、古武将
  • PK版の子育てイベント

悪い点

  • 戦闘
  • AI
  • 後半の作業感

良い点

良いと思う部分はゲーム紹介で触れている部分全般です。

まず何より全武将プレイが最大の魅力、自分の好きな勢力に仕えて統一の手助けをしたり、あえて弱小勢力からスタートして弱い上に自分で好きに行動できない不便さに苦しむのもありです。この時代のゲームでこれだけプレイの自由度があるってすごいと思います。

シナリオはスタート時に振り返りがあるおかげで流れを理解しやすくなっていますし、物語の中で大きな出来事はイベントとして抑えられており、その結果で勢力図が変わったりと再現度もバッチリ(発生させるのが難しいけど)。他にも様々なことわざ?の語源になっている出来事も抑えてくれているので、三国志の入門としても適しています。

新武将もしっかり作れば初期状態でも史実武将の上の方に食い込めるくらいにはステータス面で優遇されていますし、アイテムやイベントのコンプリートで強化されれば一線級の武将がポコポコ作れるようになります。特に本作は都市の数に対して武将数が足りなくなりやすいため、戦闘に影響が少なく後方の都市に配置しても問題ない内政系の新武将を多く作っておくとかなり快適です。

古武将も数が多く優秀な人物が揃っており、人によってはここから更に前の時代の歴史に興味を持つ人もいたのではないでしょうか。自分はそこまででしたが、以前中国に行った際にたまたま寄った場所に岳飛の像があってちょっと感動した記憶があります。

後はパワーアップキット版のみの追加要素で、結婚イベント後に子供が生まれます。定期的に子育て中の選択肢イベントが発生し、それによって育つ子供の能力が変わっていき、最終的に武将として出現します。そこでプレイキャラの変更なんかもできたりして、世代をまたいで三国志世界を生きることができるのも面白い部分です。もちろんそのまま配下武将にもできます。

悪い点

悪い点というか気になる点はやはり戦闘でしょうか。まず何度かいっていますけど一度の戦闘が長い。ターン制で一部隊ずつ動かすのもあってスピード感とは無縁のゲーム性になっています。落ち着いて考える事ができるのは利点なのですが、落ち着いて考えると更に伸びますしね戦闘時間。

それに加えて戦法、計略などなにか起きるたびに一言二言喋るからテンポも悪いです。この辺設定で変えれたら良かったと思います、PC版なら変更できるとかあるんでしょうか。

他にも視界があるせいで結局行きあったりばったりの戦いになることが多かったり、どんなに警戒しても罠に掛かるかどうかは運次第など戦闘を長引かせる要素が満載です。特に視界の制限はコンピューター相手だと意味をなしてないような気がしてます。

それに合わせてになりますが、全体的にAIがお粗末で、敵味方問わず意味のない行動を取りがちです。成功する気配のない戦法をひたすら繰り返すのは序の口で、援軍に来た部隊が主戦場とは程遠いところで発生した罠による火を消化しては失敗し挙句の果てに火で負傷することもあります。

君主などの複数部隊を動かせる戦闘ならまだマシで、配下プレイの自分の部隊しか動かせない状況だと不毛な戦いをいつまでも続けて負けては攻め直して撃退されてのループになることもしばしば、仕方ないとは思いつつもここを楽しめるかが本ゲームを楽しめるかのポイントになります。

後はある程度安定してからの作業感が強くて最後までモチベが持たないというのもありますけど、これは三国志8に限ったものではないですしね、安定させるまでが面白いゲームです。

まとめ

良い点は全武将プレイができる、悪い点は全体的なテンポの悪さ。

まとめるならこんな感じです。できることが多い分1プレイあたりのプレイ時間は長くなりがちだけど、武将を変え身分を変えてプレイすれば長いこと楽しめる作品です。

戦略部分について全く触れていなかったり、リメイク発表から時間たち過ぎてるけどこれ以上伸ばしても良いものは出てこないからこのような紹介になりました。とにかくリメイク楽しみ!